未来を可視化する
長谷川章のアート眼
   社会の未来を語るキーワード「シンギュラリティ」をテーマに、
長谷川章氏のアート眼が捉えるものを連載していきます。
人類が生命を超え、加速する未来を可視化する鍵を探ります。
vol.23
 

長谷川 章(はせがわ あきら)氏
中国中央電視台CCTVのステーションロゴを始めNHKのオリンピックオープニング(1996)、ニュースタイトル、TV-CMなど数千本の制作してきた長谷川章が、日本人の持つ無常の精神から空間・環境のアーティスティックなソリューションであるデジタル掛軸を発明し今日のプロジェクションマッピングの創始者となった。

 Akira Hasegawa

移ろいの美 - アートと心の哲学

芸術は変化と流れの中に生まれ、心に深い感銘を与えます。
ここでは、「移ろい」という視点から、アートと心の哲学に焦点を当て、存在の本質に潜む美と意味に迫ります。

アートと変化の共振で
アートは常に変化する存在に対する鏡であり、観る者の心に深く響きます。絶えず変わる瞬間や風景を捉え、それを作品に昇華することで、アーティストは移ろいの美を描き出します。
観る者は作品を通じて、自らの心の変化と共鳴し合うのです。

プロセスの存在論とアートのダイナミズム
存在するものは変化し、アートもその変化の一部です。プロセスの存在論に着目すると、アートは創造の過程であり、そのダイナミズムが作品に息づいています。アーティストの手によって生み出される作品は、変化の中で生命を得るのです。

心の無常性とアートの永遠性
心は絶え間なく変化する存在であり、アートが捉えるのはその無常性です。
しかし、アートが生み出す美や意味は、無常の中に永遠性を見出す手助けとなります。
アートは瞬間の美を超えて、永遠の感動を紡ぎ出すのです。

カオスとアトラクター - アートの秩序の源泉
カオスとアトラクターの概念がアートにどのように結びつくのか。アートは秩序と無秩序が融合した状態から生まれ、アトラクターが気づきをもたらし、観る者の心は混沌から秩序へと自己組織化するのです。
アートは秩序とカオスの調和を象徴し、その中に美を発見します。

移ろいの美学
アートと心の哲学において、「移ろい」は美の源泉であり、変化こそが芸術の命脈です。
アートを通じて、私たちは存在の移ろいを受け入れ、その中で新たな価値や意味を見出すことができます。
心の変化とアートの相互作用が生み出す美は、永遠の謎と共に私たちを魅了し続けるでしょう。
そしてその「アートを捉える」とはそれを観る者の感覚の中で起こる現象であるということです。

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