セキュリティラベリング制度「JC-STAR」の概要とメリット
IPA(情報処理推進機構)は、2025年3月より「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」の申請受付を開始し、同年5月には最初の「★1適合ラベル」取得製品リストを公開しました。この制度は、IoT機器のセキュリティ機能を評価し、その安全性を「見える化」することで、利用者と供給者双方にメリットをもたらすことを目的としています。 JC-STARとは
制度導入の背景
IoT機器は、Wi-Fiルーターから産業用機器まで、私たちの生活や社会インフラに深く普及しています。しかし、PCやスマートフォンに比べセキュリティ対策が不十分な製品も多く、サイバー攻撃の標的となっています。これにより、IoT機器が乗っ取られ(ボットネット化)、DDoS攻撃や個人情報窃取、重要インフラへの侵入といった被害が多発しています。 消費者がIoT機器のセキュリティ性能を技術的に評価するのは困難で、安全な製品を選びにくい状況でした。また、セキュリティ侵害時でも、ファームウェアアップデートなどが難しい機器も存在します。こうした状況を改善するため、世界的なIoTセキュリティ強化の動きに追随し、日本の国際競争力を維持・向上させる必要があったのです。 JC-STARによるメリット
ベンダー(供給者)側のメリット ・ 信頼性向上と差別化 ・ 効率的な開発 ・ 企業イメージ向上 ・ セキュリティリスク軽減 消費者(利用者)側のメリット ・ 安全な製品選択の容易化 ・ プライバシー保護の強化 ・ サイバー攻撃被害の軽減 おわりに
現時点では★1適合ラベルの交付が始まったばかりですが、来年以降は★2以上のレベルの申請・交付も予定されています。安全で安心なネットワーク環境を構築するための有効なツールとして活用していくことが期待されます。 参考/出典
セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR):https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/index.html 適合ラベル取得製品リスト:https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/list/jc-star-product-list/index.html IoT製品のセキュリティ確保に向けて:https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/begoj9000000gg60-att/JC-STARsetumeikai_1.pdf |
|
LOADING